しこりは、ヒアルロン酸やアクアフィリング(アクアリフト)、脂肪注入といった注入による豊胸手術で起こりうる失敗です。「まだ小さいし大丈夫」などと放置せず、早目に除去しましょう。日に日に大きくなって、悪化の一途を辿ることもあります。
バスト内に硬い塊を感じたら、しこりかも?
しこりは、バストを触ったときに「硬い塊のようなもの」を感じることで自覚する方が多い失敗です。また、バストがくぼんだり、引きつれを起こしたりするのも症状のひとつ。これらの症状を安易に捉えている方も少なくないのですが、それは大きな間違いです。その理由は、以下を読めばお分かりいただけると思います。
ヒアルロン酸のしこりの2大原因は塊注入と拒絶反応
バストにヒアルロン酸を注入すると、体はそれを「異物」ととらえて被膜を作り、ヒアルロン酸を閉じ込めようとします。これは正常な反応で、たいていの場合は被膜が薄いうちに体内の酵素で分解されるため、問題ありません。
しかし、ヒアルロン酸を塊で注入したり、体質によって強い拒絶反応が出たりすると、通常よりも被膜が厚くなってしまいます。こうなると、体内の酵素でヒアルロン酸を上手く分解しきれません。つまり、厚い被膜に包まれたヒアルロン酸が吸収されず、しこりとして残ってしまうのです。
ヒアルロン酸の質や注入箇所も原因として考えられる
質の良くないヒアルロン酸を注入した場合、炎症などのトラブルの可能性が高まるため、しこりの原因にもなりかねません。
また、注入箇所もしこりの原因のひとつと考えられます。通常、ヒアルロン酸は乳腺下に注入されるのですが、ドクターのミスで乳腺内や大胸筋内に注入されていたというケースも。これらの箇所へのヒアルロン酸注入は炎症が起こりやすく、しこりが悪化することもあります。
アクアフィリングのしこりの原因も塊注入と拒絶反応
アクアフィリング豊胸でしこりが起こるメカニズムは、未だにハッキリとわかっていません。原因として考えられるのはヒアルロン酸同様、塊での注入や拒絶反応によって吸収されなかった注入物です。ただし「アクアフィリングが体内で自然吸収されるのか」といった点には疑問が残ります。
脂肪注入豊胸のしこりの原因は3つ
脂肪注入豊胸のしこりの正体は、壊死した脂肪です。しこりができる原因は、大きく3つに分けられます。
- 脂肪に不純物が含まれている
- 死活・老化細胞などの不純物が含まれた脂肪を注入すると、脂肪が壊死してしまいます。なぜなら、不純物が酸素や血液の循環を妨げてしまうから。そうなると栄養が行き渡らず、脂肪が壊死するため、しこりが生じるのです。
- 脂肪の注入量が多い
- 1度の施術における脂肪の注入量は、片胸250cc程度が限度と言われています。それ以上の脂肪を注入するとバスト内の内圧が高まり、脂肪はすし詰め状態に。そうなると脂肪は呼吸ができず、塊で壊死してしまいます。
- ドクターの注入技術が低い
- どんなに良質な脂肪を注入しようと、注入量を守ろうと、ドクターの注入技術がなければしこりが生じます。たとえば、注入の限度量を知らないドクターが、1箇所にまとめて脂肪を注入したとしましょう。そうすると、バスト内で脂肪が大きな塊になって栄養素が行き届かず、しこりに。本来は、皮下や乳腺下、大胸筋内、大胸筋下といった層に少量ずつ分散して注入する必要があります。